日指会の友 【1】 平成20年 4月 21日

○ 「甚だしいのは金槌で叩いて矯正したというある派の指圧師が居た。」
【増永静人著 「経絡と指圧」より】

  初めまして。日本指圧師会会報にて、不定期で駄文を書かせて頂いております教学部員です。
今回より、日指会会員以外の方にも、指圧と整体について、少しでも親しみと深みを知って頂きたく、日本指圧師会サイトにて駄文を書かせて貰おうと思います。
以後、不定期ながらよろしくお願い致します。

  「指圧」「整体」と聞きますと、皆さんはどの様なイメージをお持ちになるでしょうか?
押せば命の泉湧く?ボキボキと関節を鳴らせたり?
実際の所、私達でも明確な定義を指圧はこうですよ、整体とはこうですよと、説明する事が大変に大変に難しいと言うのが実際なのです。
冒頭の増永静人先生の文の様に、治療補助に様々な道具を用いる治療師も多くいます。
(こちらは現在の場合、整体用治療補助と言った方が良いかも知れませんね)指でツボを押すイメージの強い「指圧」も、実際は様々な技術が存在します。
この辺りはおって紹介していこうと思います。

  さて、例えば指圧師になる場合、国に認可された養成施設にて3年学習し、年に1度行われる国家試験をパスして漸く、指圧師と名乗れる訳ですが、その養成施設で学べる手技技術は各校ばらつきがあり、指圧についての明確な歴史を学習する事はまずありません。
そして、整体と呼ばれるものには国の認可もありませんし、決められた定義もありません(最近ではマッサージと混同されるケースも増えています)。

  では、何でそんな不明瞭な紛らわしさやらが、付きまとって居るのでしょうか?利用する一般の方が分からないのは基より、それを仕事とする治療師までもが、なかなか理解し辛いとはどう言った事なのでしょうか。
今回より、書かせて頂く自分の不勉強を今一度再確認し(笑)、指圧と整体とその周辺の持つ、不確定、不明瞭さから、不要な偏見や誤りを多少なりとも払拭出来たならば、真面目にコツコツと臨床で患者さんに向かい合っている治療師も、報われるのではないかと、前向きな(良い意味合いで)宣伝が出来るならばと、(大変、大変にオコガマシイのは承知の上で)指圧と整体について、ちょっとずつ、纏めていこうと考えております。宜しければお付き合い下さい。

 *冒頭の引用は「ある派」が恐らく、当時の日指会を指していると思われますので(ちょっと面白いので)引用させて頂きました(笑)

日指会の友 【2】 平成20年 4月 21日

○ ただただ専心(ひたすら)にわが愛する全国の

   指圧師諸君の健在をのみ祈つて筆を擱(お)くとしよう。

    昭和31年(1956)2月

 【藤井尚久医博編著 日本指圧師会(N.S.K)出版部発行

            「指圧の理論と術技の大要」より】

  日本指圧師会のホームページを日指会教学部がお借りして、少々砕けた感じで日指会以外の方々にも指圧の事や整体の事、日本指圧師会の事を分かりやすく伝えようと、不定期で今回も連載してまいります。
ベースは50周年を「深みのあるものにしよう」と再調査された、そして現在も進行している、「正確な指圧と整体の歴史」についてですが、あまり固くならない様に多少雑談を交えられたらと考えています。
指圧と整体の歴史に関する件で加筆修正などもお知らせしていきます。挨拶はこの辺で。 

今回は本を1冊紹介したいと思います。

「指圧の理論と術技の大要」
医学博士藤井尚久編著 日本指圧師会出版部発行
昭和31年3月11日発行



 こちら、日本指圧師会とは切っても切れない(指圧の歴史からは無い事にされていますが(笑))、重要な1冊となっています。
この本は当時、手技療法一般が法律により「指圧」と纏められた、最初の本となります。
法律で「あん摩・マッサージ法」に組み込まれる形で認められた途端に、指圧は内包していた手技療法の幅の広さ故、指圧師達は分裂しました。
骨格矯正に主を置く治療師や、押圧法を主とする治療師経絡(ツボの流れ)に沿った考えを主にする治療師など、指圧の一言から実に様々に流派は分かれました。
国にあん摩でもマッサージでも無い手技療法を!と一致団結していた訳ですが、いざあん摩、マッサージに指圧との名称で法的に加わった途端、「我こそ指圧!」とお互いの手を離し、治療師団体内は離散していったのです。
本当に残念な事です。 因みに指圧や整体の「元祖」「本家」と言った、「言った者勝ち」の細分化はこの時代以前から行われていたんです。
(本家元祖辺りも、おって取り上げてみましょう)

 今日の日本指圧師会は、民間任意団体ですが指圧法制化の際には、時の厚生省の監督下にて、指圧の医学的効果を厚生省と医学博士下で、治療師達の手で結成された、指圧の歴史には切っても切れない団体なのです。
なにせ、指圧、療術(現在で言う整体やカイロ、オスティオパシー)と言った垣根を超えた治療師の集まりだった訳ですから。 

 さて、そんな日本指圧師会が何故、指圧の歴史から見えなくなっていったのでしょうか?
この辺りの事情は、さすがに未だざっくばらんに語るには彼方此方に角が立ちますので、大雑把に言わせて貰いますと「指圧の定義とその実際の差」
これに限ります。 

 指圧の定義は以前、日指会のこのページを参照して頂けると一目瞭然なのですが、少し長くなるので今回はココまでとします。


日指会の友 【3】 平成20年 5月 21日

○あん摩・マッサージ・指圧資格が国家資格になる前、地方知事認可の頃使用した教科書
「指圧の理論と実技」第1版
              厚生省医務局医事課編 医歯薬出版株式会社



 

 執筆者:芹沢勝助(東京教育大学教授)

 執筆協力:永松卯造 中島(石へんに教) 伊藤栖雲

     相京伴信 青木謙悳 梅田新 塩田博旦

 「指圧の理論と実技」の参考文献

―――参考文献―――

1.指圧の理論と術技の大要 (医学博士 藤井尚久 編著)

2.手技療術の基本理論と調査研究の感想 (医学博士 藤井尚久 講述)

3.指圧の大意 (《日本手術技療術師協会会長》 松原秀雄 編著)

4.指圧療法講義録 第1〜4巻 (川崎久敏 編著)《復刻版はたにぐち書店から》

5.長生療術講義録 (柴田純宏 述)

6.指圧法基本型 (全国療術師協同組合指圧部会 編)

7.米国式カイロプラクティック療法入門 (松本茂 著)

8.米国式オステオパシー療法入門 (松本茂 著)

9.脊髄反射的療法 (児玉林平 著)

10.厚生省教本シリーズ あん摩・マッサージの理論と実技

(厚生省医務局医事課 編)

11.指圧と生理学 (浪越徳治郎 編著)

12.指圧と経絡 (浪越徳治郎 編著)

13.指圧療法入門 (川崎生泉(久敏) 著)

14.圧診と撮診 (医学博士 成田央介著)

15.生理学講座 皮膚感覚 (医学博士 時実利彦著)

16.汎適応症候群 (医学博士 田多井吉之介訳)

17.生体の科学 第2巻第4号、第2巻第6号、第4巻第6号、

第7巻第8号、第7巻第9号

18.脳と神経 第9巻第1号

19.日本生理学雑誌 第18巻第9号

20.侵襲に対する生体反応と、ショック (山口与市 土屋雅春 川村顕 秋庭忠義共訳)

21.人体解剖学 (医学博士 藤田恒太郎著)

22.生理学 (医学博士 杉靖三郎著)

23.人間の生態 (医学博士 杉靖三郎著)

  

 今回、冒頭に置きましたのはあマ指資格が地方知事認可だった頃の指圧教科書として養成学校にて用いられていたものです。
参考文献だけ見てもらえば、指圧の幅の広さを分かって頂けるだろうと紹介します。

  50年前の日本指圧師会会報には、以下の様な記述が見られます。

 「指圧の理論と実技」(医歯薬出版(株))

 ?.理論編(芹沢勝助 著)

 ?.実技編(中村学文 著)

「?実技編」の中村学文と言う方は、日本指圧師会初代会長です。
この「?実技編」を会としても(私個人としても)探していた(いる)訳ですが、全く発行された気配すらありません。
この本に関しまして何かご存じの事がありましたら是非、お知らせ下さい。よろしくお願いします。

  今回は(半端な内容ですが)この辺りで。
前回書きました「指圧の定義とその実際の差」を理解して頂く為、また後日に「学校で教えてくれない指圧の歴史」を紹介したいと思います(笑)。
「あん摩」「マッサージ」「指圧」の境界線が消えかかっている今だからこそ、本来の意味合いに光を当てる時です。

日指会の友 【4】 平成20年 6月 2日

○「人はだんだん生きることに不熱心になり、自分の体を人任せにして、他人の力ばかりを頼って生きることになる。」
【野口晴哉著 「整体法の基礎」より】

 

 冒頭の野口先生と言えば「整体の智の巨人」と言われた人です。
多くの著書も書店で見かけることが出来ます。
が、さて、野口晴哉先生の時代の整体と、今日の整体では随分とかけ離れた社会認知となっています。
指圧と整体。厄介な整体の部分はまた後回しとしまして、前号に引き続き指圧を考えてみましょう。 

按摩(あんま)、マッサージ、指圧はそれぞれ独立した手技療法です。
これはくどい程に日指会のサイトでお知らせしていますが、長年にわたって定着してしまった認知度はなかなか変える事も難しいものです。 

前号にあん摩・マッサージ・指圧(以下、あマ指)の資格が国家資格になる前、地方知事認可の資格だった頃の教科書参考文献一覧を掲載致しました。
目を通して頂くと分かりますが指圧のみの教科書であの参考文献量です。
手技療法が持つ幅広さを分かって貰えると思います。 

で、ここは日本指圧師会のサイトですからあマ指の中から「指圧」を抜き出して考えてみましょう。
前号で引用した
「指圧の理論と実技」
参考にした物の著者名は
「厚生省医務局医事課編」なのですが、後に「東京教育大学教授 芹沢勝助著」「筑波大学教授 芹沢勝助著」(東京教育大学とは、筑波大の前身)となって行きます。
内容への変更はありません。
あマ指のキャリアの古い治療師の方でしたらお分かり戴けますが、この教科書内には参考文献から分かる様に、骨格矯正のテクニックもちりばめられています。

歴史考証に少し書いてありますが、指圧を法制化する際に、厚生省と医学博士2名、藤井尚久医博、中村学文医博の監督の下、基本型を7名の治療師によって摺り合わせ決められたとあります。
その基本型がこの教科書「指圧の理論と実技」にまとめてあるのです。
 
(日指会で指圧基本型を厚生省式と呼んでいたのは、この内容を指していました)

この昔の指圧の教科書。
今日のあマ指教科書と比べて見ても、随分と内容に
大きな差が出ています。
特に骨格矯正に関しては、ほとんどが消えています。
何故でしょう?
(全国養成施設でも極一部のみ消していない所があります) 

50年前、指圧法制化の際には「指圧はアンマに非ず!」と、あん摩・マッサージ法に内包されるのを断固反対してまでの指圧。
時間と共にあん摩、マッサージ、指圧の差が無くなった背景には、何がどの様に影響していたのでしょう?引き続き、考えてみたいと思います。

 日指会の友 【5】 平成20年 7月 23日

○「このたび、法律の改正によつて、あん摩『マッサージ、指圧を含む』の条項が、『あん摩、マッサージ、指圧』と列記されることになりましたので、〜」
        【芹沢勝助著 「指圧の理論と実技」より】

 このところは一般の方にとって、馴染みのない専門用語が多かったので、今号はもっと分かりやすく書かせて頂きます。

 さて、日指会宛に留まらず良くされる筆問に、「マッサージと指圧と整体と、何が違うの?どれも一緒じゃあないの?」と、聞かれる事が多々あります。
さてさて、この質問、私達の治療師でも、どれだけ簡素にまとめる事が出来るでしょうか?(笑)

実はこの質問、今日の業界にとって大変に難しい現状となっています。
よって今回は
「あん摩」「マッサージ」「指圧」「整体」と、この4つを簡単に紹介しましょう。
厳密にはこの4つ、それぞれにハッキリ違いがあるのですよ。

では始めに、以前まとめて掲載してある【あん摩 マッサージ 指圧 の差違比較表解をご覧下さい。

こちら、指圧が法的に認められる以前にまとめられた内容なのですが、この頃から50数年、定義としては全く変わっていません。
このまとめが個人的に一番簡素且つ的確なものと思います。

で、ハイこちらをご覧下さい。で、お終いでは悪いので(笑)

 「あん摩」
日本古来から親しまれてきたあん摩。
特徴は心臓から手足の末端に向かっての、筋肉(特にコリ固まった部位)のもみほぐす手技。
手指の操作に様々な技術もあります。
昔から盲人の職業ともされ、今日でも職域は国によって保護されている(と、一応なっている)国家資格。

 「マッサージ」
フランスから持ち込まれたとされています。
ヨーロッパでは今日のリハビリの様な医学的用いられ方も古くからされていたようですし、手足の末端から心臓を目指す操作は、リンパの流れも整え美容にも用いられてきました。
現代ではエステティックのブームと重なり、美容マッサージが特に盛んですが・・・エステは民間資格の為、誰でも行えるのですが、医療を目的としたマッサージ(病院などで行うリハビリなどの)には国家資格となっています。
と、言いますか・・・・・・う〜ん。この話はまた後日という事で勘弁して下さい。

 「指圧」
大正の時代辺りから盛んに米国から輸入された「カイロプラクティック」「オスティオパシー」と呼ばれる骨格矯正法は、整体やら整體・正體、療術などなどと呼ばれる民間手技療法でした。
そこに、あん摩の技術や様々な手技の良いところをミックスし、自国に合わせて改良されて晴れて50数年前。
「指圧」と技術、名称が統合されて法的に認められた国家資格です。有名なのは、親指で全身を心臓から手足の末端に流す押し方ですが、上記の通り、大本では骨格矯正の技術も多分に含まれる手技となっています。
含まれる手技内容も多いので、全身を指で押す治療法もあれば、お腹を丁寧に押し、内臓の働きを診る丁寧な治療法もあります。
もちろん、脊柱や骨盤の骨格矯正を主体に、全身の治療を行う方法もあります。
故にあん摩、マッサージよりも流派と言いますか、方法の枝は多く分かれているかも知れませんね。

 「整体」
指圧の項目に書きましたが、「指圧」として法制化されるまでは一緒と考えて良かったものです。
大本は骨格矯正法であると、考えて良い訳ですが指圧が多くの意味合いを含むのと同じく、体操法など様々な内容を含む言葉となっています。

国家資格ではなく民間資格の為、現代では決まった定義は皆無で、一定の基礎医学知識にバラツキが大きく、最近では日指会への問い合わせも増え、「整体」と言うものへの規制の声は増すばかりです。
昔とは違う世の中ですからね。

ざっと、簡素に書いたつもりです。業界への関心を持って頂きたいので、今後もまた書いていこうと思います。

 日指会の友 【6】 平成20年 7月 23日

 

○ 「一度飲むと脳卒中にならないという物の文章が、日本指圧師会名義で出回っていますが・・・」
       【日指会事務局への問い合わせより】

 年に数回事務局にある問い合わせが冒頭の文章です。
一般の方の健康面で何かしら影響が及んでもいけませんから、こちらの駄文コラムでも紹介しておきます。

 宜しいでしょうか?
一度何かしらのものを口にしたからと言って、脳卒中を防げるなんて摩訶不思議な奇跡は―――
「ありえません」。
科学的にも。呪術的にも。

 調べるとこの文章、十年程前の日指会会報に掲載されている内容でして、この文章をどなたか日指会会員がコピーして流布。
そのコピーしたものが思いの外、全国的に広まっているようです。
しかし、その本文を書いた方が既に日指会を退会されていますし、無責任に会報からの抜粋コピーなもので、いかんともし難い現状です。

日指会の友 【7】 平成20年 9月 16日

「文明生活を見直そう」
              【野口晴哉著 「整体入門」より】

 11回目指圧・整体学会、参加された治療師の皆さんお疲れ様でした。
つくづく終わりのない業種だと痛感させられる勉強会でした。
河野医博の解剖学講義以外は、3人の先生方、30年近くのキャリアの方のみの講義で、派手さはなくとも長年の臨床経験に裏打ちされた濃度の講義と思います。

 考えてもみますと、治療が上手な治療師と、講義が上手な治療師。療法を兼ね備える先生と言うのも、なかなか居ないものです(笑)。まぁそりゃそうで、医師も、毎日患者さんを相手にする医師と、データとPCでにらめっこしながら研究の日々の医師では別な訳です。

 頭の野口先生の言葉は、ちょうど本日ニュースで大きな経済報道を耳にしたので(強引に)引用しましたが、「整体の巨人」と言われた野口先生は基より、過去の有名な著書を持つ治療師達の、患者さんを前にした実力の程は、どの様なものだったのでしょうね。
「達人」だったのか否か、今となっては著書や口伝のみです。

 「名人」「達人」「神の手」クラスの治療師、いやいや、自称でも構いません。
どうでしょう?なかなかお目にかかれないですね。
一線を画す、卓越した知識と技術ならば昔、接骨で名を馳せた「名倉」の様に、遠方からも患者さんが押し寄せる事となり、自ずと日本中、世界中の噂に乗る事でしょう。
理論・技術でなく「商売が上手い」噂は偶に耳にしますね(笑)

 しかし、これは極論。
それぞれの治療院に長く通われる患者さんにとって、世間一般に有名無名問わず、身体の手入れを頼める治療師は、その患者さんの身体にとって「名人」「達人」でもある訳です。
技術良し、知識良し、後は治療師と患者さんの「気」の合う合わないでしょうか。
これがバッチリ合えば、私でも名人・達人への一歩を上がる事が出来るでしょうか?(笑)

 前振りが長くなりました(笑)。
今回、日指会の学会に参加し、ベテランの先生方の講義を前にすると、「はい!ココをコレだけで五十肩もギックリ腰も、頭痛も目まいも耳鳴も、膝痛肩痛産後の肥立ち、アレルギーから癌までも、あれよあれよと良くなりますよ〜!!」なんて、私が夜な夜な夢にまで見る「名人・達人・ゴッドハンド」までの道のりは、遙か彼方であると・・・・・・軽い絶望感(笑)を感じましたが、毎回気付きますのが手を取り合う治療師同士の手技や、考え方を見せて貰うという、自身の治療院以外を目の当たりにするという、極当たり前ながら、なかなかそう言った機会が得られない昨今では、貴重な勉強会であり、日々の治療技術、理論の為にどれ程に大事であるか、実感する次第です。

 整体と整骨・接骨と、どう違うの?と質問を頂きました。
簡素にまとめて紹介出来る様に準備しておきます。ではまた。

日指会の友 【8】 平成20年 10月 22日

「指圧法とは、徒手で拇指、手掌等を用い体表の一定部位を押圧して生体の変調を矯正し、健康の維持増進をはかり、または特定の疾病治癒に寄与する施術である。(定義)」
     【厚生省医務局医事課編 「指圧の理論と実技」より】

 平成20年10月、整体師を名乗る者が子宮筋腫を「揉んだら治る」との触れ込みで医師法違反で逮捕されました。

 私達は、決して大きな業界団体ではありませんが、年々酷くなる近年の混乱と、社会的認知の歪みを現場臨床に携わる治療師として問題提起し、公に発言し、同志を草の根的にでも広げていこうと、日本指圧師会のサイト開設しました。
しかし、非営利で治療師の会費のみを治療師のみで運営して行える事には限界があります。
それでもチョットずつチョットずつと、活動していましたが今回のような事件報道があると、一発で私達の活動など吹き飛んでしまいます。
私達は今回の報道の件に関しまして、
大変に悲しく思い、強く憤りを感じる次第です。

 国や行政は、指圧や整体など「手技療法」に関しまして、ほとんど野放し状態です。
今回の逮捕がただの悪質業者への見せしめだけで終わるかどうか、今後に注目です。

 自費出版で「○○で治る!!」と謳い、患者の絶賛の声を載せ、新聞に広告をうったりするいわゆる「バイブル本商法」とは、昔から問題視されていますが、今回の件も、この「宣伝法」が用いられていた様です。

 テレビ、新聞など報道では「整体」「指圧した」等々、私達からすると線引きされるものが混合して伝えていました。ココを少し考えてみましょう。

 まず、「指圧した」の場合、指圧を使う場合は有国家資格者という事です。
「整体」の場合は規定がない資格なので国家資格は不要です。
今回逮捕された者は目が見えない、所謂盲人で、障害者手帳も持っていたと言う事で、有資格者だろうとは推測出来ますが(視覚障害者の場合、日本では「あん摩」は国により職域保護され、あん摩・マッサージ・指圧の国家資格取得もしやすくなります。)、報道ではこの者
「見えていた」とか・・・・・・

 確かに、昔の指圧や整体の本など目を通すと様々な病気の治療について研究、研鑽されています。
昭和の頃までは特に盛んで、明らかに指圧の効果効能としましては過剰な面も多かったと思われます。(どんな身体のつらさも一発で「治しちゃう」なんて、自慢話で良く耳にしたものです(笑))
しかし、今日の日本指圧師会の研修会や指圧・整体学会では、何でもかんでもと言う考えは無く、「指圧・整体として出来る事」

指圧師はそれ以上でも、それ以下でも無い、手技療法として地に足付けた研鑽が行われています。

 ついでですが、「指圧や整体はどの様な頻度で利用すれば良いか?」の質問も多くあります。
利用される治療師に相談するのが一番良いのですが、大雑把な考え方としましては、手技療法では週に一度、月に一度、重症の場合、1〜2日置き等、現代医学の広まりが浅い時代には、定期的に行い、その結果の症状改善をみるが主流です。
例えば、仕事などから来る慢性痛は、定期的な利用を。寝違えや急性の腰痛などは、詰めて数回、症状の程度をみながらの利用、心配な場合は医師と相談しながら上手に指圧・整体を利用して下さい。何よりも、患者さん自身に合った、信頼出来る治療師を見付けて欲しいものです。

 再び、ついでで申し訳ないですが、良く聞かれる質問に「ほぐし」「リフレ」とマッサージやあん摩、指圧の違いは?とあります。日指会サイト内あちこちに書いてありますがこちらにも。
冒頭の一文通り、手や指を使って筋肉を緩めたりする場合、あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格が必要とされてきました。
基礎医学を学び、衛生面も含め、患者さんに触れる為の最低限の教育が必要と決められた為です。
しかし、エステなど美容目的のマッサージには不要、接骨院の骨折・脱臼・捻挫のケアの一部としては不要、はたまた「人に害を与えない程度の医業類似行為は良い」と、この一文が一人歩きし、内容はマッサージやあん摩でも看板に「整体・リフレ・ほぐし」とすれば保健所(国)の管理下外という事で業を行え・・・・・・申し訳ないです。
簡素にまとめようとしたのですが、この問題、一筋縄では行かずでして・・・乱暴に一言で言いますと、
国家資格の有無でだけ、名称が違うのが現在としておきます。
「あん摩・マッサージ・指圧」を行い、看板を出す場合はあん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要という事です。
「鍼(はり)・灸(きゅう)」を行い、看板を出す場合、鍼灸師の国家資格が必要です。
「骨折・脱臼・捻挫」の治療を行い、接骨院・整骨院と看板を出す場合、柔道整復師の国家資格が必要という事です。

 はぁ、何ともややこしい事で、こちらが患者さん側に恐縮してしまいます(笑)今回はこの辺で。